メガネブランドZoff(ゾフ)を運営するインターメスティックは、子どもの視力矯正やメガネの利用に関する実態調査の結果を発表した。
この実体調査は、次の3つの項目から構成されている。
- 小学4年生~6年生の男女279人を対象にしたメガネと視力に関するアンケート調査
- 小学校6校、約2,300人の小学生の視力データ
- 小学生の子どもを持つ保護者600人と小学校教諭200人を対象にした子どものメガネに関する調査
視力矯正が必要な小学生は約3割、視力矯正が必要な小学生の半数近くが未矯正
小学校で行われる視力測定について説明しよう。「児童生徒等の健康診断マニュアル平成27年度改訂」によると、視力検査の結果はA~Dの4段階で評価される(下表参照)。
| 判定 | 視力 | 備考 |
|---|---|---|
| A | 1.0以上 | 視力は良好です。学校生活に影響なし。 |
| B | 0.7~0.9 | 条件によって学校生活への影響がある。 |
| C | 0.3~0.6 | 教室後方からは黒板の字が見えにくいことがある。 |
| D | 0.2以下 | 教室の前列でも黒板の字が見にくい。 |
「児童生徒等の健康診断マニュアル平成27年度改訂」を元に作成。
この「備考」によれば、B判定以下だと学校生活に影響がある可能性が生じるので、眼科を受診して、診断結果によってはメガネを掛けることを検討する必要があるといえよう。
小学生の視力測定結果
(左)視力矯正していない子どもの視力測定結果
(右)視力矯正している子どもの視力測定結果
小学生の視力データ
(左)視力矯正が必要な子ども
(右)視力矯正をしていない子ども
今回の調査で小学校6校、約2,300人の児童の視力データを分析したところ、視力矯正をしている子どもは383人で、全体の約16.7%だった。
また、黒板の字が見えにくいC判定・D判定に該当しながらも、視力矯正をしていない子どもは328人で、全体の約14.3%だった。
これらをまとめると、
- 小学生の約3割(約30.9%)が視力矯正を必要としている。
- 視力矯正が必要な小学生の約半数(約46.1%)が未矯正。
ということが明らかになった。
さらに詳しく見てみると、視力矯正した状態で視力測定した383人のうち、178人がC判定・D判定だった。つまり、半数近く(約46.5%)の小学生が、視力を矯正しているにもかかわらず、視力が足りていないということになる。
この結果からは、子どもは視力の変化が速いため、視力に合った度数のメガネ・レンズに交換するのが追いついていないケースが多いことがうかがえる。眼科の受診やメガネ店での視力チェックを定期的に行うように心掛けたい。
約半数の保護者が「視力矯正が必要な基準を知らない」と回答

視力矯正が必要な視力を知っていますか?
今回の調査で「視力矯正が必要な視力を知っていますか?」と保護者に聞いたところ、49.7%の保護者が「知らない」と回答した。
「児童生徒等の健康診断マニュアル平成27年度改訂」には、「視力C(0.6~0.3)・D(0.3未満)の者は、全て眼科への受診を勧め、その指示に従うように指導する。」と記されている。
また、C判定は「教室後方からは黒板の字が見えにくいことがある。」とされ、D判定は「教室の前列でも黒板の字が見にくい。」とされていることを考えると、視力0.6以下の子どもは、メガネで視力を矯正する必要があると言えるだろう。
約半数の保護者が「メガネをかけると視力が低下しやすくなる・悪くなる」と思ったことがあると回答
メガネを掛けると視力が低下しやすくなる・悪くなると思ったことはありますか?
保護者に「メガネをかけると視力が低下しやすくなる、または悪くなると思ったことがあるか」と尋ねたところ、48.2%が「ある」と回答した。
執筆時現在の状況としては、「メガネをかけると視力が低下しやすくなる、または悪くなる」とは言えないと思われる。参考となる見解を3つほど引用しよう。
▼「メガネで目が悪くなる」は間違い?視力低下の原因や正しいメガネの使い方 - Aigan STYLE
「メガネ=目が悪くなる」と思われているのは、メガネを外した時の視力差や、近視への認識のズレが原因です。例えばメガネをかけた状態に慣れてしまうと、外した時に物足りなさを感じてしまいます。その結果、見えていたのに見えない状態になってしまい、目が悪くなったと錯覚を起こしてしまいます。
また昔はメガネをかけると近視が進むと思われていました。その結果、度数の合わないメガネによって視力が低下してしまうため「メガネ=目が悪くなる」と言われるように。
しかし最近では矯正の程度が弱すぎる、または強すぎるメガネは目に負担をかけ、近視を進行させると考えられています。そのため、視力や使用シーンに合わせてメガネの度数を合わせるのが理想と言われています。
▼「近視の子に早くからメガネをかけさせると、目がどんどん悪くなる」説の真偽を確かめました。 | アスコム
メガネをかけると余計に目が悪くなるってホント?
そんな疑問を、二本松眼科病院副院長の平松類先生にぶつけてみました。
「そんなことはありません。年齢が低いほど近視の進行は早いので、メガネをかけさせたらもっと近視が進行したという錯覚が起こりやすいのだと思います」
(中略)
ただし平松先生は、確かにメガネをかけるとより視力を悪くするという学説もあって、いまだにはっきりとした結論は出ていないのだということも話してくれました。
だから「少しでも視力が落ちたら、絶対すぐにメガネを作るべき」「いや、メガネは絶対にかけさせず、できる限り我慢させるべき」といった両極端の考えには走らない方がいいのだそうです。
▼メガネは視力を悪化させるか? 科学的根拠に基づく考察 | たける眼科 | 福岡市早良区 高取商店街[西新駅/藤崎駅]
科学的エビデンスに基づくと、適切に処方されたメガネの使用は視力を悪化させることはありません。
「メガネをかけると目が悪くなる」ということは、昔の考え方だったようです。
むしろメガネは、視覚機能の維持と生活の質の向上に貢献します。
重要なことは、定期的な検査と適切な使用方法の遵守と考えられます。
6割以上の保護者がメガネを掛けさせるのを「様子見」

(左)お子様にメガネを使用させるのを「様子見」したことはありますか?
(右)お子様にメガネを使用させるのを「様子見」した理由はなんですか?
子どもの視力がC判定・D判定だと答えた保護者に、「お子さまにメガネを使用させるのを『様子見』したことはありますか?」と聞いたところ、66.6%の保護者が「ある」と回答した。
「様子見」をした保護者に理由を聞いた結果は、以下の通りだった。
- 「視力が低下しやすくなる、悪くなると思った」(15.8%)
- 「年齢的にまだ早いと思った」(12.2%)
- 「子どもが嫌がると思った」(10.8%)
- 「運動時にケガをすると思った」(7.0%)
- 「費用負担が大きい」(4.7%)
- 「その他」(0.3%)
47%の保護者が子どものメガネの破損経験ありと回答
これまでに子どものメガネが壊れた経験はありますか?
「これまでに子どものメガネが壊れた経験はありますか?」と保護者に尋ねたところ、47%の保護者が「ある」と回答した。
筆者のメガネ店に勤務していた経験や取材から見ても、子どもは大人に比べてメガネを破損する割合が高く、破損までは行かなくともフレームがゆがんだりして掛け具合が悪くなる頻度も高い。
子どものメガネを購入する際には、できるだけ丈夫で壊れにくいフレームを選ぶこと、足を運びやすい店を選ぶこと、フレームの破損などに対する保証制度が充実している店を選ぶことをおすすめしたい。
スポーツなどで「メガネが邪魔になるだろう」と感じる保護者は73%
お子様がメガネをかけることに対して、スポーツなどでメガネが邪魔になるだろうと思ったことはありますか?
「子どもがメガネを掛けることに対して、スポーツなどでメガネが邪魔になるだろうと思ったことはありますか」という質問に対して、「ある」「ややある」と回答した保護者は73%に達した。
「メガネが邪魔になる」理由としては、
- メガネが何かにぶつかる可能性があるから
- 裸眼に比べて視界が狭くなるから
- メガネがズレたり下がったりするから
といったことが考えられるが、「裸眼に比べて視界が狭くなる」「メガネがズレたり下がったりする」という問題は、スポーツ用のメガネフレームを選ぶと改善されるはずだ。スポーツ用のメガネには、目のケガを防ぐ効果も期待できることも覚えておきたい(下記リンク参照)。
6割以上の保護者が安全で壊れにくいメガネを求めている
理想の子ども用メガネに必要だと思う要素を選んでください。
子どものメガネに求める要素について保護者に尋ねたところ、1位は「安全性(ケガをしにくい)」(66.3%)、2位は「壊れにくさ」(62.0%)となった。
【写真】
また、子どものメガネにおいて「壊れにくさが重要か」という質問には、72.5%が「重要」と回答した。
【写真】
上述の通り、子どもは大人に比べてメガネを破損する割合が高いため、子ども用メガネフレームは、大人用に比べて丈夫で壊れくくく作られているものが多い。
とはいえ、心配になる気持ちも理解できるので、丈夫で壊れにくいメガネを求めている人は、メガネ店のスタッフに相談してみよう。このアンケートを実施したZoff(ゾフ)でも、ラバー製の丈夫なメガネを販売している(下記リンク参照)。




























