雑誌MONOQLOの取材に備え、激安メガネの定番ブランド Zoff(ゾフ)にメガネを買いに出かけた。
高級フレームと比べると安っぽいのが気になって、なかなか選びきれなかったのだが、渋谷マークシティ店のセール品の中にようやくお気に入りのフレームを見つけることができた。
続いてレンズを入れるべく、視力検査(検眼)をお願いした。「激安メガネは安心して買えるのか?」という雑誌MONOQLOの取材に答えるには、視力検査についてはしっかりとチェックしたいところだ。
実は最初から、今のメガネの度数で作るつもりだったのだが、今のメガネが合っているのか確かめてほしいと言って、検査を受けたのだ。
最低限のメガネの知識は持っている
検査の前に、今使っているメガネについて、気になることや問題点はないか聞かれた。特に問題ないと答えると、今使っているメガネの度数をチェックしてくれた。
度数と同時に必ずチェックすることがある。それは、レンズの中心がどこにあるかということ。メガネを作るときには、瞳の中心とレンズの中心をピッタリ合わせて作るのが必須なのだ。これがずれていると、見え方が悪くなったり、目が疲れたりしてしまうのである。
このような機械で測ると、鼻を中心とした左右の瞳の間隔を測ることができる。
左右の瞳の間隔は、ひとさまざま。目が離れているひともいれば、寄っているひともいる。人間の顔は左右対称ではないので、鼻を中心に測ると左右で間隔が違うひとも少なくない。
私の場合、左右の瞳の間隔が 5 ㎜違う。人間の顔は左右対称でないとはいえ、私のように 5 ㎜も違うひとは正直少ないのだ。
当然、私が現在使っているメガネは、すべて左右のレンズの中心を 5 ㎜ずらして作っている。しかし、メガネ店によっては、瞳やレンズの間隔を左右別々に測ることなく、均等に作ってしまうことも多いのが実情だ。
そこで、私はメガネのプロだとバレないように気を配りながら、こう言った。
「以前、メガネ屋さんに左右の瞳の間隔が違うと言われて、今使っているメガネは全部それに合わせて作ってあるんですよね。」
すると、Zoff(ゾフ)のスタッフは「左右でこんなに違うの?」という顔をしながらも、レンズの中心を慎重かつ丁寧に測っていた。
測り終わると「確かに、左右で間隔が違いますね。人の顔は必ずしも左右対称ではないので、こういうひともいらっしゃいます。」と私に説明しながら、結果を記入した。さりげなくのぞき込んだところ、レンズの度数はもちろん、左右のレンズの中心も問題なく測れていたので一安心。
スムーズでスピーディーな視力検査
オートレフと呼ばれる機械が遠視・近視・乱視の状態を測ってくれる。(写真はイメージ)
[出典]http://www.ezoe-cl.jp/cgi-bin/ezoe-cl/siteup.cgi?category=1&page=3
ここで担当のスタッフが交代して、いよいよ視力検査がスタート。そのスタッフは、検査を始める前に「今回検査を担当させていただく○○です。」と名乗った。
正直、ここできちんと挨拶してくれるとは思わなかったのでビックリ!大変好感が持てた。私が以前勤めていたデパートのメガネ売り場でも、ここまできちんと挨拶できていたスタッフはけっして多くはないのだ。
オートレフと呼ばれる度数を自動的に測る機械での検査を終えて、現在使っているメガネを掛けて視力を測ったところ、両目で視力1.5までしっかり見えていた。
すると、Zoff(ゾフ)のスタッフは、現在使っているものと同じ度数でメガネを作ることをすすめた。その理由は次の通り。
- 私が今のメガネの見え方に困っていないこと。
- 視力がしっかりと出ていていること。
- 機械による検査の結果からみると、現在使っているメガネは近視も乱視もきちんと矯正されていること。
- もし、度数を変えるとすれば、度数を下げることが考えられるが、私が特に目の疲れもなく、今まで通り、遠くをしっかり見たいのであれば、度数を下げる必要はない。度数を下げると遠くが見づらくなってしまう。
全て、理論的に矛盾のない説明だった。視力検査をする上での最低限の知識があることが確認できた。さらに、語り口もなめらかだったので、相当数の検査をしているのだろう。
本当は、Zoff(ゾフ)の視力検査を見極めるために、現在の近視・乱視の状態を検査してもらいたかった。しかし、度数を変えることはないという説明が、これ以上の検査を求めるのが不自然なほど適切だったので、おすすめ通りに今のメガネと同じ度数で作ることにした。
正しい視力検査とは?
レンズを入れ替えてもらい、納得のいくまで試したい。(写真はイメージ)
とはいえ、メガネを掛ける本人が特に困っていない場合でも、現在の近視・乱視の状態をきちんと検査した上で、今使っているメガネの度数が合っているのか考えるのが正しい視力検査だ。
しかし、Zoff(ゾフ)のように客数が多く、回転率を上げないといけない店であれば、こうした視力検査にも納得がいく。スピーディーに普通に使えるメガネを作ることを目指すのであれば、今回のような視力検査でも問題ないと言えるだろう。
ちなみに、他のお客さまの検査をさりげなく見てみたところ、しっかりと納得のいくまで度数を試しているひとがいた。じっくりと検査を受けたいひとは、気後れすることなく申し出るといいだろう。
想像の域を出ないが、Zoff(ゾフ)でも店長クラスのひとやある程度キャリアを積んでいるひとなら、最低でも半分、7割~8割程度のひとが普通に使える度数を出せるのではないだろうか。
実際に視力検査を受けてみたことで、技術面も含めて Zoff(ゾフ)のコストパフォーマンスは高いことがわかった。
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